いよいよ最後の作品の審査。三重から岐阜に北上する。岐阜城が見える敷地で独立一作目の吉田さんが出迎える。
同作品は地味な外観ながら、内部に入ると白州漆喰とマホガニーの調和が美しい、陰影のある空間で、僕の建築感では一番感銘を受けた作品。
逆に今回の一連の審査では空間に出会った時の感動に巡り会えずにいて、フラストレーションすら感じていたのだが、もちろん審査は審査員の評価によるのだけど、この作品は新しい才能に出会ったという感じがする。
数年前の同賞で入賞した静岡の山田誠一さんと近い建築空間が広がる。
複数の床レベル、壁ドン付けのメクラの開口、白州漆喰によるムラ感、建具や家具に使われたマホガニーの質感、ディテールなどいろいろなところで共感する。
さて、この後は審査会で対象が決まる。誰が推されるか、審査員の言説に期待。