JIA東海住宅建築賞 2日目 二つ目

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いよいよ最後の作品の審査。三重から岐阜に北上する。岐阜城が見える敷地で独立一作目の吉田さんが出迎える。

同作品は地味な外観ながら、内部に入ると白州漆喰とマホガニーの調和が美しい、陰影のある空間で、僕の建築感では一番感銘を受けた作品。

逆に今回の一連の審査では空間に出会った時の感動に巡り会えずにいて、フラストレーションすら感じていたのだが、もちろん審査は審査員の評価によるのだけど、この作品は新しい才能に出会ったという感じがする。

数年前の同賞で入賞した静岡の山田誠一さんと近い建築空間が広がる。

複数の床レベル、壁ドン付けのメクラの開口、白州漆喰によるムラ感、建具や家具に使われたマホガニーの質感、ディテールなどいろいろなところで共感する。

さて、この後は審査会で対象が決まる。誰が推されるか、審査員の言説に期待。

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JIA東海住宅建築賞 2日目 一つ目

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東海住宅建築賞も2日目を迎え、今日が最終日となる。

朝一で四日市に向かいこの賞の常連、スタジオベロシティの栗原さんの作品を見る。

いつものホワイトベースが、三層に引き伸ばされ、テーマとなっている擁壁を欠き取る。

ボリュームを二つにスプリットしたことで生まれている間のブリッジは、

開口が設けられ風が抜ける気持ちの良い空間。しかし内部は多くの室を取ろうとしているからなのか極小の空間が連なり、天井の低さも相まって、もう少し気積が欲しいところ。

斜面に植えたクローバーが開口部から目に入るのは良い。

最も気になったのは、サッシと壁の取り合いのディテールで、ここをゾロにしていたこと。

審査員はどう見ているだろうか。

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JIA東海住宅建築賞 1日目三つ目

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三つ目の作品は佐々木さんによる方形屋根の家。

佐々木さん得意の笑いに誘い込み、審査員の心を一瞬にして掴む。

青木氏はいつもまず住宅とは別方向に歩いて行き、

引きのシーンを確認しているのだが、ここでは正面ではなく脇の道に入り、隣家と接する庭の状況を眺めている。

庭を接する中、よく会話が成されているという。

内部では、二階に位置する浮遊感のある和室で、オーガンジーのカーテンが揺れる様を体感。

この浮遊感は床、天井間に壁がなくスリット状になっていることによる。

現しの天井を構成する垂木や合板、家具といった木質要素と、ジョリパッドの白という抑制された色彩構成はいつもの佐々木流。

ここにいるとしゃべり声が小さくなるね、という中村氏の言葉の背後で、エアコンの排風音が耳に残る。

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JIA東海住宅建築賞 現地審査 1日目その2

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二つ目は川本夫妻によるとんがり帽子の屋根が可愛らしい作品。

浜松の天竜区にあり高速を降りてからだいぶ北上して到達。

豪快に開放した建具はまさしく静岡らしい形式か。木製建具でこのワイドにのけぞる。

嫌が応にも目に飛び込む特徴的な屋根を見ながら奥まった位置にある建物の中に入ると、天井は屋根面の形状のまま上部へと視線を誘い、トップライトからの、と思わせておきながら正確にはハイサイドライトからの光が、下見板張りの壁面に表情をつくる。

コンクリート金ゴテのアプローチ、ざらっとした木の表情、中央部の野趣に溢れた柱が、特異ではあるが割合シンプルな形態の元に展開する。

これが白い壁面だと全く違った印象になるだろう。

ちなみに川本さんの頭もとんがり帽子にセットされており、屋根とシンクロしていた。

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JIA東海住宅建築賞2016

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今年も暑い中現地審査を迎えました。

事務局として青木淳、中村好文、長谷川豪各氏とともに現地審査対象作品を回ります。

最初はaccaの岸本氏が手がけた三島にある住宅。

傾斜地に建つこの住宅からは見上げると富士山が見え、下からは心地よい風が抜ける。

下すぼまりの構成はダイナミックさを高めるだけではなく、外壁の耐久性を高めている。

内部空間は、二階に3つのレベルが設定され位置によって異なる天井高となり、

それが包まれ感、抜け感を生み出す。

中央にまきストーブがあったが静岡の温暖な気候で必要なのかと思ったがどうだろう。

一階の浴室からは傾斜地を見下ろすかたちとなり最高の開放感。

 

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浜名湖ガーデンパーク

はじめて来てみた。

遠州の暑い夏を乗り切るには気持ちいい場所だ。

けど入り口でこのサインはないよなあ。

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