三つ目の作品は佐々木さんによる方形屋根の家。
佐々木さん得意の笑いに誘い込み、審査員の心を一瞬にして掴む。
青木氏はいつもまず住宅とは別方向に歩いて行き、
引きのシーンを確認しているのだが、ここでは正面ではなく脇の道に入り、隣家と接する庭の状況を眺めている。
庭を接する中、よく会話が成されているという。
内部では、二階に位置する浮遊感のある和室で、オーガンジーのカーテンが揺れる様を体感。
この浮遊感は床、天井間に壁がなくスリット状になっていることによる。
現しの天井を構成する垂木や合板、家具といった木質要素と、ジョリパッドの白という抑制された色彩構成はいつもの佐々木流。
ここにいるとしゃべり声が小さくなるね、という中村氏の言葉の背後で、エアコンの排風音が耳に残る。
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