カリンにとってこの夏一番の大勝負の日。静岡県吹奏楽コンクール西部地区大会。これは東海と全国の予選を兼ねている。カリン達より三年生にとっての勝負の日。課題曲のマーチ・シャイニング・ロード、自由曲の二つの交響的断章のうち、自由曲は格段に良くなったように聞こえた。一瞬の静寂、そこからドーンと音量を上げる迫力、それぞれのパートや個人の技量が統合された時、聞いているこっちの身体がゾクゾクする感じ。半分は身内びいきかもしれないが。浜北文化センターには四度目の訪問。ホール側面をタイル仕上げにしている会場をあえて選ぶのが本当にいいのか、疑問も少々。ヤマハ、カワイ、ローランドを擁する浜松は激戦地区に違いない。毎回、少しづつ座る席を変えているのだけど、今回はネットのにわか仕込みで、指揮者と同じ高さに耳が来るように、ということで一階、中央通路の少し後ろ、真ん中の審査員席のすぐ脇に陣取る。多賀城から来たジイジマーミも一緒。おそらく、無事、終わり、演奏後は聞いているこちらも脱力。カリンたちは仲間と弾けて写真撮影。結果発表までのつかの間の時間。そのあとは笑顔か涙か、緊張の一瞬が訪れる。