PHILOSOPHY

Louijiana+tree081010

幼少期を過ごした北海道では、冬に表れる白一色の雪原に光が差し込み、チラチラとした微細なアンジュレーションが広がっていた。

留学時代を過ごしたデンマークでは、レンガ下地プラスター薄塗りの壁面に陽光があたり、うっすらとした陰影とともに現象的な情景が展開していた。

こうした風景や情景は、差し込む光とそれを受けとめる素材と空間のレンジとしてのスケール感との調和の上に成立する。そして、それらの総体として不均質な建築がつくられる。

不均質な建築は、環境の微細な変化を表象することにより、人間の知覚を覚醒し、hygge(ヒュッゲ)な空間をつくりだす。hyggeとはデンマーク語で、他の言語では言い表せない意味を持つと言われる。柔らかな光で満たされた空間の中で、気の合う友人や家族と語り合うなかで実感される快適さのこと。

不均質な建築の先にあるhyggeな空間は、「生きる」ことへの静かな実感を与える。

hygge design labでは、こうした空間を感覚的なdesignと論理的なlabolatoryの両側面から思考し、実現していく。 

※写真:LOUISIANA MUSEUM OF MODERN ARTの壁面に映る木漏れ日